Sammyです。
今日はトレンド発生のシグナルについて説明していきたいと思います。
ダウ理論の基本である6つの理論の中に「トレンド発生は出来高でも確認されなければいけない」という理論があります。
まだダウ理論を理解していない方は先にこの記事を読む前にこちらの記事から読んでみてください。
このダウ理論を踏まえて、トレンド発生のシグナルの中でも信頼性が高い「出来高急増の上髭」についてみてきましょう。
上髭陽線とは?
まず上髭陽線とはどういったものなんでしょうか。
上ヒゲの長い陽線を上影陽線といいます。高値圏では、下落への転換の示唆になります。
買い方の勝利であるが、売り方の抵抗が強かった、という解釈です。安値圏では、上昇への転換の示唆になります。売り方に抵抗されたが、最終的には買い方が勝利した、という解釈です。
マネックス証券より
チャートが見たことがある方なら必ずみたことがあるローソク足だと思います。
そして上髭陽線は一般的に天井サインとしてよく知られています。
投資家心理をローソク足から読み解くと、確かに天井付近で大陽線となり、買い方が続かず、その利確に押され結果として買い圧力が弱まってきていることが読み取れます。
こうなると高値圏ということもあり、翌日以降も買い圧力が続かなければ天井サインとなってしまう可能性が高いと考えます。
上記のマネックス証券の説明の中に「安値圏では、上昇への転換の示唆になります。」とあります。
ではなぜ天井サインでもある上髭陽線が上昇転換への示唆になるのでしょうか?
それは次に出来高急増と大口心理と合わせて考えていきましょう。
出来高急増と大口心理と合わせて考える
安値圏での上髭陽線発生時に必ず合わせてみないといけないのが、出来高です。
なぜ出来高と合わせて見ていかないといけないのでしょうか?
大口の取引は株価は隠せても(前日比など)出来高は隠せないからです。
出来高が増える=取引が増えるということですので、そこには株保有者の入れ替えがおこっています。
安値圏での上髭陽線から投資家心理を読み解いていきます。あくまで仮説ではありますが。。
まずマーケットにおいて大口投資家は個人投資家に比べて圧倒的な有利な状況です。例えば取引のシステムであったり、中にはなにか材料を先に掴んでいる可能性があるような値動きをするときもあります。
この出来高急増の上髭陽線は市場サイクルでいうとアキュミュレーションになります。

大口投資家が「もう少し集めたいけど価格は安く買いたい」となったときに一気に買い上げた後に売りを浴びせ、株価を一度冷やします。
そしてその上髭を見た個人投資家が「せっかく上昇したのに、長い上髭が発生してしまったから上昇はまだ見込めなさそうだし一旦手放そう」と思うはずです。個人投資家が投げたそれを大口が拾っていきます。
そして、もう1つ気づかないといけないのが、大口投資家は、出来高を急増させると大口としての存在がいるとわかっているのに、あえて一気に買い集める、ということはある程度の枚数をすでに持っている可能性が高いと私は思っています。
上の図でいうと②の買いのクライマックスということです。
市場サイクルの順番でいうと②買いのクライマックスの次は③売り圧の試しです。
この後の例を見ていくとわかりますが、出来高急増の上髭陽線が出現してから、急速に上げていくということは多くなく、売り圧を試すようにじわじわ上昇、もしくは横ばいの状態になります。
そして出来高が減り、売り圧がないのを確認してから上昇していきます。
出来高急増の上髭陽線が出現した後のチャートの動きとしてはどうなっていくのか、実際の例を見ていきましょう。
出来高急増の上髭陽線からトレンドが発生した例
こちらは3995 SKIYAKIのチャートです。
黄色い枠で出来高急増の上髭陽線が出現しています。

この後25MAをサポートに出来高が減りながらもすこしずつ上昇し、そこから一気に噴き上げていきます。

こちらは3989シェアリングテクノロジーです。
同じように黄色い枠でシグナルが出たあと、25MAがサポートになっています。
この銘柄は出来高急増した理由は確か決算だったはず。。
ファンダの後押しがあれば、保有時の握力も高まるので、できることなら、なぜ出来高急増したのか?の理由も合わせて調べましょう。

同じように出来高急増の上髭陽線後に25MAで反発し、その後2倍まで短期で上昇してます。

こちらは6192ハイアスアンドカンパニーです。
上髭陽線発生時には特にこれといった材料はありませんでしたが、出来高が急増し、その後25MAを割ることなく、ヨコヨコの状態で推移してます。

25MAを明確に割れないまま、ここは中期計画が発表され一気に上昇していきました。
こちらも上髭陽線発生から2倍近く上昇しています。
上昇したあとのハイアスアンドカンパニーの↓のチャートの下の白い横線に注目してみてください。
25MAを割れてないのもそうですが、サポートとレジスタンスで見た時に下の白い横線部分でレンジが別れています。

見やすくボックスで分けるとこんな感じです。

最後は8256プロルートです。
こちらは黄色い枠の上髭陽線の前日に材料が出てました。
材料に市場が反応し上髭陽線発生と25MAブレイク、翌日出来高減って25MAを割らないまま保ち値となっています。

その後も出来高を増やしながら25MAを割ることなく、パーフェクトオーダーで上昇し続けて約2ヶ月で4倍になりました。

まとめ
出来高急増の上髭陽線とシグナルと捉え、例をあげながらみてきましたがいかがでしたでしょうか?
それではトレード手法でまとめてみたいと思います。
①底値圏で発生した出来高急増の上髭陽線の銘柄を監視
②なぜ出来高が急増したかを調べる(ない場合でも大口がなにか情報を先取りしているかも?)
③25MAやボックスレンジでサポートラインを決め、出来高を減らしながらの保ち値を確認
④保ち値のまま上髭陽線時の株価から大きく変化しないようであれば1ヶ月以内には上昇し始める可能性が高い。
③④で自身も買い始める
⑤上昇が始まったら利確ポイントが来るまで保有。利確ポイントはグランビルの法則など。
出来高は株価に先行するとも言われています。
出来高急増の上髭陽線が発生した場合はぜひとも監視を続けてみてください。