株式投資で勝つために知っておきたい心理学「認知バイアス」

トレード手法

Sammyです。

投資を行う上で重要なことはなんでしょうか?

テクニカルやファンダメンタル分析と答える方も多いと思います。それももちろん重要ですが、メンタルコントロールも同じくらい重要です。

私が勝てるようになったのはテクニカルやファンダメンタル分析よりもこのメンタル部分を学んだことが大きいと感じています。

心理学、認知バイアスを知るということは相場を中にいる大衆の心理を読むということです。

ここでは投資家心理に影響する認知バイアスのいくつかを説明していきます。

プロスペクト理論

人は利益よりも損失に敏感に反応すると言われています。

それがこの損失回避の思考「プロスペクト理論」です。

株式投資でいうと含み益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすいと言われています。

一方、損失が出ている場合は損を取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすいと言われています。

こう言われてみると実際に経験がある方も多いのではないでしょうか。

実際に投資を行う際には損小利大とまったく逆の行動を取らなくてはいけないですよね。

また、デイトレなどで損失を取り戻そうと大きなレバを張っていないでしょうか?そういったときは判断が鈍り、自分のルールではないところでポジションを持ってしまうので、そういった感情の場合は、だいたいは勝てないはずです。

プロスペクト理論を回避するために

利確、ロスカットのルールを明確に持ち、ひたすらそのルールに従う。

①利益が出ているときはむやみに利確をせず、利確する場合のルールを持ち、その条件に当てはまった場合のみにする。

例:ローソク足が25MAを下回った。レンジアップしていった中でサポートを割ったとき。

②事前に定めたロスカットラインを割った場合は必ず実行する。

③大きく勝った時、負けた時はすぐにポジションを持たず、一度相場を離れるor客観視する。

アンカリング効果

アンカリング効果とは、最初に提示された価格や情報がその後の判断に影響を与える効果です。

株式投資ではいくつかのケースがあります。

まずは価格についてです。

市場が暴落した時に暴落前の価格にアンカーを設定されてしまうと暴落時の価格が非常に安く見えます。安い価格で買うことは重要なのですが、アンカリング効果によって割安に感じ、むやみに手を出してしまうとセリクラの前であればまだまだ株価は下がる可能性があります。

また、値ごろ感だけで買ってもそのあとに需要がなければ株価は上がりません。

そしてリスク面でもアンカリング効果がかかります。

複数の銘柄を検討するときに、最初に目にしたものがハイリスクだとすると、その後の銘柄のリスクがアンカリングの作用により相対的に低く見えてしまい、正しくリスクを判断できないことがあります。これもアンカリング効果で無意識のうちに比較するとリスクが高いにも関わらず低く判断してしまうことがあります。

このように気づかないところでアンカーを設定されてしまい、無意識のうちに本来の価値を見落としてしまいがちです。

アンカリング効果を回避するために

値ごろ感だけで取引しない。

マクロを見ながらミクロを見る。

サイクルを意識し、リスクを認識、管理する。

他の銘柄と比較をせず、自身の取引ルールを徹底する。

確証バイアス、正常性バイアス

確証バイアスとは、自分の都合の良い情報だけを汲み取ってしまうことです。

正常性バイアスとも内容が似ているかもしれません。

ファンダメンタルズ分析をしているとよくあることで、「銘柄に惚れるな」とはこのことですね。

この銘柄はこういったテーマがあるから必ず上がる、相場の雰囲気が悪い中でもファンダが良いから下がらないはずだ、といった自分都合で相場に向き合ってしまうと良い結果を招きません。

本来であれば悪材料が隠れているのが見えるはずなのに確証バイアスによって無視してしまうことや、他のバイアスでもありますが、明らかに悪材料なのにSNSでは多くの人が上がると判断しているからきっと上がる、などもそうです。

良い情報とその銘柄の必ずトラップ、悪い情報も合わせてトータルに銘柄を分析していきましょう。

確証バイアス、正常性バイアスを回避するために

①他の投資家の目線になってその銘柄を見てみる。チャートもファンダも。

②自分がその銘柄を持っていないとしたら、その価格で買いたいか、それとも売りたいか。

③銘柄に惚れ込まず、俯瞰的に良い情報、悪い情報のどちらも収集する。

サンクコスト効果、保有効果

サンクコスト効果とは、すでに支払ったコストを取り戻そうとする心理効果です。

これも中長期のファンダメンタルズを中心に投資しているとよくあることだと感じています。

銘柄に対してかなりの時間と労力をかけて分析をした、となるとその分析した分を心理的に取り戻したいと考えます。結果的に銘柄に惚れ込んでしまうことにもなり、上がらないとなればきっぱりと諦めて次の銘柄に乗り換えるべきです。

サンクコスト効果についてはプロスペクト理論でも説明ができますので、今一度プロスペクト理論を思い出してみてください。

労力、時間を損したくないと思う人がほとんどなはずです。

しかし、これは投資においてはマイナスに働いてしまうことを認識しておきましょう。

また、保有効果も合わせて説明すると保有効果は銘柄に対して、保有する前より保有した後のほうがその銘柄の価値が高く見えてしまう心理効果です。

買う前よりも買った後のほうが、上がるはずだ、と思い込んでしまうのもこの保有効果が働いているからです。

サンクコスト効果、保有効果を回避するために

①銘柄はその銘柄だけではないということを意識しておく。良い銘柄はたくさんあります。

②「確証バイアスを回避するために」を意識する。

③「プロスペクト理論を回避するために」を意識する

代表性バイアス

代表性バイアスとは一度「あるべき姿」を思い描いてしまうと、新たな情報がもたらされた後にも、その「あるべき姿」から逃れられなくなってしまう心理効果です。

こちらはサンクコスト効果と合わせてバイアスがかかるような気もします。

ファンダメンタルズ、テクニカル分析によって「この価格まで上がるはずだ」と思い描いてしまうと例えば銘柄が暴落したときにそのあるべき姿から逃れられず、ロスカットができなくなってしまいます。

相場を予想することは誰にもできません。

コンセンサスやテクニカルを妄信しすぎて囚われてしまうと最後には大きな損失を追うことになってしまうかもしれません。

代表性バイアスを回避するために

①相場に合わせ、利確もロスカットも自身のルールを厳守する。

②ファンダ分析、コンセンサス、テクニカルを妄信せず、常に銘柄を客観視する。

根本的な帰属の誤り

この心理効果は非常に厄介です。

根本的な帰属の誤りとは、自分の身に起こったことは状況のせいにするのに、それが他の人のところで起こった場合には、その人の性格の問題だと認識してしまう、という心理効果です。

例えば自分がミスを犯した場合は、たまたま相場の暴落に巻き込まれた、たまたま銘柄が上がらなかった外的要因を強調します。

そして他人のミスに対しては外的要因ではなく、その人の内的要因を重視してしまいます。

今回株式投資において気をつけたいのは自身の場合のほうです。投資において他人は他人です。人の損益など気にする必要はまったくもってないからです。

では、自分のことについてもうすこし掘り下げてみましょう。

自分が「とある取引で大きな損失がでたのは、外的要因であったから。」

本当にそうでしょうか。

マクロが暴落してもロスカットルールを守っているならばそこまで大きな損失が出ることがないでしょうし、自身の銘柄の選択が甘かったのかもしれません。(ブラックマンデーなどの板飛びにより損失が出る場合もありますが、、)

人のせいにすることができない相場において全ての取引の責任は自分にあります。その銘柄の売買をしたのは自分のはずです。

大きな損失が出たということは必ず自分のどこかに誤りがあったと認めるべきです。

根本的な帰属の誤りを回避するために

損失が出た責任は自身にあるので、なぜそのトレードで負けたのか客観視できる「敗者の日記」をつける。

フォン・レストルフ効果

フォンレストルフ効果は、印象深いものや目立つものを脳が優先的に記憶する心理効果です。

株式投資では、最近大きな値動きのあった株など、SNSなどで話題になった銘柄が記憶に残りやすいのは、この効果によるもので、その記憶は正しい判断にとってノイズとなってしまいます。

ある銘柄に心が引かれるときには、このフォンレストルフ効果が働いていないかどうかを意識する必要があります。

銘柄は数多くあり、次々に新しいテーマも出てきますので1つの銘柄に囚われないことが重要です。

株は人気投票ですが、資金が循環して入ってくる銘柄を先回りする方法もあるということも覚えておきましょう。

フォン・レストルフ効果を回避するために

①「プロスペクト理論を回避するために」を意識する

②「確証バイアス、代表性バイアスを回避するために」を意識する。

まとめ

いかがでしたでしょうか。投資をしている方ならほとんどの人が経験をしたことがある内容だったと思います。

個人投資家は9割が負けると言われています。その9割の方はおそらくこの認知バイアスがかかったまま取引をしている可能性が高いのではないのでしょうか。

勝ち残る1割になるためには大衆心理と逆といく必要がありますので、ぜひとも大衆心理であるこの認知バイアスを意識していきたいですね。

認知バイアスを回避するには「まとめ」

①利確、ロスカットのルールを明確に持ち、ひたすらそのルールに従う。

②大きく勝った時、負けた時はすぐにポジションを持たず、一度相場を離れる or 客観視する。

③値ごろ感だけで取引しない。サイクルを意識し、リスクを認識、管理する。

④他の銘柄と比較をせず、自身の取引ルールを徹底する。

⑤自分がその銘柄を持っていないとしたら、その価格で買いたいか、それとも売りたいかを考える

⑥良い銘柄は数多くあることを意識しておく。銘柄に固執しない。

⑦ファンダ分析、テクニカルを妄信しすぎない。

⑧損失が出た責任は自身にあるので、なぜそのトレードで負けたのか客観視できる「敗者の日記」をつける。

こう見ると感覚だけで取引するのではなく、いかに自身のエントリー、利確、ロスカットのルールを守れるかが重要だとわかります。

メンタルをコントロールし、再現性のあるトレードを繰り返しましょう。

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