要約「投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識」後編

書籍

Sammyです。

世界一の投資家として知られるウォーレン・バフェットが、「極めて稀に見る、実益のある本」と絶賛した本。

彼が本書を大量購入し、経営するバークシャー・ハサウェイの株主総会で配布したくらいの良書です。

具体的なテクニカルやファンダメンタルズについて書かれているわけではなく、投資哲学や思考方法について記載されています。

前回の前編1〜10の教えに続き今回は後半の11〜20についてまとめてみました。

後編だけではなく前編も合わせてご覧ください。

それでは後半となる11から見ていきましょう。

11 逆張りをする

「周りが意気消沈して売ろうとしているときに買い、周りが高揚した気分で買おうとしているときに売るには最大限の勇気が必要だが、そうすることで最大限の利益を得られる。」

これも「8 サイクルに注意を向ける」「9 振り子を意識する」からの流れで大衆心理と逆を行くということですね。

上げ相場で多くの人のポートフォリオが膨らんでいそうな場合にはキャッシュポジションを多くし、相場が弱気で多くの人が損切りし、キャッシュポジションが膨らんでいる時にポートフォリオを増やす、買い増しする。

相場の強気、弱気はテクニカルなどでも判断できますが、騰落レシオ、信用買い評価損益率なども合わせてトータルで判断することがオススメです。

サイクルや振り子を意識し、今どこにいるのか。市場が弱気なのか強気なのかを判断した上で、その大局の逆張りをする。個別銘柄のナンピンとは違いますので、ご注意を。

12 掘り出し物を見つける

「人々が実態よりも著しく悪い印象を抱いている状況でなければ、掘り出し物は生じえない。つまり、最良の機会は、たいてい周りのほとんどの人が気づいていないものの中から見つかる。結局のところ、誰もが良いと感じ、喜んで買おうとするものにお買い得価格はつかないのだ。」

テンバガーとなる銘柄の多くはこれだと思います。

市場で短期的に人気になっている銘柄よりも人が気づいていない中にも良い銘柄があります。その時は注目されませんが、国策テーマにのる、もしくは業績などで注目されるなどで、資金が入ってきます。

ではどうやって掘り出しものを探すのか?

四季報などで探すこともできますが、やはり身の回りから探すのが信用性が高いと思います。

ユニクロしかり、ワークマンなどの衣料銘柄や「かつや」などのアークランドサービス、「いきなりステーキ」などのペッパーフードなども身の回りにあることですし、実際の店舗の繁盛具合なんかも気軽に調べにいけます。

身の回りにある、一見株式投資として「面白くない」銘柄こそ掘り出し物です。

13 我慢強くチャンスを待つ

「良いチャンスはつねにあるわけではなく、あまり動かずに状況を見極めることが時として最善策になるということだ。」

相場を常時見ていたり、銘柄が上昇していくのを見ているとついポジションをとりたくなりますが、値幅を考えると我慢してチャンスを待つことが大事です。

外部的な要因で暴落時までじっと我慢し、まわりの連れ安で落ちてきたところに買い出動する。

チャンスと見極めるにも「8 サイクルに注意を向ける」「9 振り子を意識する」といったことが大事です。そして振り子が端までいったところで「11 逆張りをする」といったところでしょう。

「8 サイクルに注意を向ける」から「13 我慢強くチャンスを待つ」は一連の流れで考えましょう。

「8 サイクルに注意を向ける」から「13 我慢強くチャンスを待つ」まで

ほとんどの物事にはサイクルがある。市場もまた同じ。

振り子をイメージし、大衆が悲観しているときに買い、楽観している時に売る。

大衆が弱気の時に「掘り出し物」を逆張りで買う。

その時までキャッシュの残し、じっとチャンスを待つ

14 無知を知る

「将来のことはわからないというのであれば、わかっているかのようにふるまうのは無謀である」

「マーケットのことはマーケットに聞け」という格言があるように市場の将来のことを全てわかる人などいません。そのことをこの章では伝えています。

たまにSNSでわかっているように振舞っている方が見受けられます。実際にその通りポジを持っているのであれば、それは無謀、もしくは投機かもしれません。

「マーケットには常に謙虚に」買いポジを持っているのであれば、必ず上がるという傲慢にならず、常にバリュートラップなどの見落としがないか注意し、慎重になることが重要です。

自分が無知であることを忘れることがリスクになるということでしょう。

15 今どこにいるのかを感じとる

「サイクルが変動するタイミングや振れ幅は予測できなくても、我々が今サイクルのどの位置に立っているかを解明し、その結論にしたがって行動するよう努めることが不可欠」

これは「8 サイクルに注意を向ける」「9 振り子を意識する」と「14 無知を知る」を合わせたことでしょう。

今上昇、下落のどちらのサイクルで市場が動いているのか、また振り子の振れ幅がわからない中で、騰落レシオ、信用買い評価損益率、25日移動平均線乖離率などテクニカル指標で確認しながら自身で予測して行動していかなければいけません。

ここでも重要なのがやはり「1 二次的思考をめぐらせる」でしょう。

大衆に流されることなく、自身で情報を集め、考えて「今どこにいるのかを感じとる」という相場観を身につけていくことが重要です。

16 運の影響力を認識する

「時として、起こりそうもない、あるいは不確実な結果が起きるという危険なかけをした者が天才のように評価されることがある。」

有名トレーダーであるBNFやCisのように本当の天才もいますが、時には危険な賭けに勝ち、大きな利益を上げている投機家もいるのは事実です。

これは自身に振り返ってみてもいえることで、大きな利益を出せたとしてもそれは運かもしれないという謙虚さが必要です。

東北楽天ゴールデンイーグルスの名誉監督、野村克也氏の座右の銘として話題になった「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とも言えますね。

17 ディフェンシブに投資する

「投資における守りには2つの大原則がある。①損失を出す資産をポートフォリオに入れないこと。②暴落により市場崩壊が起きるリスクがある時期を避けること」

本書では順に見てきたとおり、徹底してリスク管理、損失を出さないようディフェンシブな投資哲学を伝えられています。

①損失を出す資産をポートフォリオに入れないというのは、ポジションを持つタイミング、そして銘柄をよく調査しなさいということですね。

例えば、財務を見て、増資が行われそうなのか?BSの中で違和感がないか、自己資本比率は高いか?などを把握しておくことがディフェンシブな投資に繋がります。

②市場崩壊が起きるリスクがある時期を避けるというのは「8 サイクルに注意を向ける」「9 振り子を意識する」に通じる部分です。

18 落とし穴を避ける

「素晴らしい投資成績をめざして努力するよりも、損失を回避することの方が重要だと主張している」

これも「リスクの理解、認識、コントロール」「17 ディフェンシブに投資する」と同じです。

ディフェンスを固め、損失さえ回避できればあとは少しずつでも資産は増えていきます。

投機でオフェンスを高めるのではなく、まずはディフェンスを固め、損失を回避しましょう。

19 付加価値を生み出す

「重要なのは市場をアウトパフォームすること、つまり付加価値を生みだすことだ。」

個人で投資する上で付加価値を生み出すことは市場をアウトパフォームすること、アウトパフォームができないようであれば、ファンドに資産運用を任せたほうが良いかもしれません。

ではどうやってアウトパフォームするのか?

市場をアウトパフォームするには本書に書いていることを全て行うこととも読み取れます。

次章にもありますので、まとめはそちらで記載したいと思います。

20 すべての極意をまとめて実践する

「投資家は、買いを検討している資産にどれだけの本質的な価値があるのか、しっかりと把握しなければならない。」

最後は「すべての極意をまとめて実践する」ですので、これまで書かれていた内容を箇条書きでまとめてみます。

まとめ

二次的思考を巡らせ、市場がどう反応するのかを考え、先回りする

自身と向き合い、自分の投資スタイルや勝ちパターンを確立する

銘柄の本質的価値を見出し、割安な銘柄を見つける

リスクの理解し、自身のポートフォリオに与えるリスクを認識、コントロールできるポートフォリオを組む

物事のサイクルに目を向け、振り子を意識し、暴落時に逆張りをする。

マーケットには常に謙虚に、傲慢にならずにリスクや損失シナリオについて常に考え、資産を極力減らさないようディフェンスを固める。

以上だと思いますが、いかがでしたでしょうか。

本書は投機ではなく、投資についての哲学書です。

長期のスパンで投資する場合には本書の内容を忘れないよう何度も読み返したいですね。

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